
[ベルリン 24日 ロイター] - メルケル独首相は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)における演説で、多国間主義の妥当性を強く訴えかけた。ただそうした国際協調主義外交を実際に推進しようとしても、遠からず自らの政治基盤が崩れてせっかくの取り組みが台無しになってしまうリスクがある。

ドイツの繁栄は多国間で共存する国際秩序に依拠し、トランプ米大統領が提唱する「米国第一」主義がこの秩序を脅かしつつある。そのためにメルケル氏はダボス会議で、今年は「ウィンウィン」の外交政策を展開し、多国間主義を擁護する姿勢を打ち出している。
具体的には今後2年間、ドイツが国連安全保障理事会の非常任理事国になる機会をナショナリズムの台頭に対抗する手段として利用するほか、2月初めには今年の20ヵ国・地域(G20)首脳会合議長国を務める日本に飛び、「同志」として協力を呼び掛けるつもりだ。