[東京 30日 ロイター] - キヤノン<7751.T>は30日、2019年12月期連結業績(米国会計基準)は減収減益を見込んでいると発表した。世界経済の不透明感が高まっていることを踏まえ、業績予想の前提となる為替レートを円高方向に設定したことが響く。

会見した田中稔三副社長は「米中貿易摩擦のさらなる激化や中国・新興国での景気減速懸念、ブレグジットに代表される欧州政治の混迷など、多くのリスク要因により、不透明感がますます高まっている」と懸念を示した。

売上高は前年比1.3%減の3兆9000億円、営業利益は同5.2%減の3250億円を予想。部門別の売上高は複合機などのオフィス部門が前年比2.4%減、カメラなどのイメージングシステム部門が同3.9%減とそれぞれ減収を計画している。

田中副社長はカメラ事業について「スマートフォンに一部市場を取られたが、本来のカメラの役割は消えない。少しずつ減るにしても、カメラが無視されるような減り方ではないと思う」と述べ、ミラーレスを中心に拡販を図っていく方針を示した。

一方、メディカルシステム部門は新製品効果などもあり、前年比9.0%増を予想。半導体露光装置などの産業機器その他部門はほぼ前年並みとなる見通し。

前提為替レートは1ドル105円、1ユーロ125円と、2018年12月期実績よりもそれぞれ5円程度円高方向に設定した。

この前提は売上高を1237億円、営業利益を511億円下押しする見通し。為替の影響を除くと、売上高は前年比1.8%増、営業利益は同9.7%増と、増収増益予想となる。

会社の営業利益予想はリフィニティブがまとめたアナリスト18人の予測平均値3323億円を下回っている。

2018年12月期決算は、売上高が前年比3.1%減の3兆9519億円、営業利益は同6.6%増の3429億円だった。レンズ交換式カメラの市場縮小やパネルメーカーの設備投資一巡の影響を受けた有機EL蒸着装置の販売減などが減収につながった。

*内容を追加しました。

(志田義寧)