電気やガス、水道はもちろん、通貨さえないニューギニア奥地に住む先住民「ワニ族」。彼らは、短い期間で軟弱な若者のメンタルを激変させ、眼光鋭い“男”にする儀式を行っている。一体、若者を骨の髄まで男にする秘訣はどこにあるのだろうか?(古武術パフォーマー KARAS<カラス>)

ニューギニアの未開の地で見た
軟弱な若者を変える「儀式」

皮膚を傷つけ、ワニのような模様を彫っている「クロコダイルマン」軟弱な若者も「クロコダイルマン」の儀式を経た後は、ごろっと変わる。ニューギニア先住民の興味深い風習とは…?

 世界最後の秘境の地といわれるニューギニア。山賊やマラリアの危険をかいくぐってたどりついたジャングルの奥地では、いまだ電気・ガス・水道はもちろん、貨幣経済もなく、ワニなどの野生動物を狩って暮らしている人々がいる。今なお文明から隔絶され、黒魔術や精霊文化が息づいている地域なのだ。

 私は、そんな先住民の1つ、通称「クロコダイルマン」と共に生活し、外国人で初めて秘密の精霊儀式に参加させてもらったり、親子の契りを交わすなどして古代生活の謎と神秘を教えてもらった。高度に文明化された日本人の目から見れば、何から何まで後れているように見えるかもしれない。だが私は、彼らの文明化されていない生活に、日本人が学ぶべき点も多いように思えた。

ニューギニア先住民「軟弱な若者を眼光鋭い男に変える」儀式の凄味儀式直後の痛々しい背中。感染症などで命を落とす若者もいる(痛々しい写真なのでモザイクをかけています。そのままの写真をご覧になりたい方は下の拡大画像表示のリンクをクリックしてください) 拡大画像表示

 今回ご紹介するのは、軟弱な若者が劇的に変わる“儀式”。草食化しているといわれる日本人の若い男性に手を焼く上司や恋人は少なくないが、なんと、彼らは短期間で、若き男子のメンタルをごろっと変えてしまうのだ。

“男”になるために、一体何をやるのか。かいつまんで言うと、身体を竹のナイフで1000ヵ所ほど傷つけてワニのうろこのような皮膚をつくり、人間の若者からワニ人間(クロコダイルマン)にカスタマイズしてしまうのだ。

 この村を流れる川にはたくさんのワニが生息しており、彼らはワニを自分たちの先祖と信じあがめると同時に恐れてもいる。その畏敬の念を持つワニに自分がなることにより、最強の強さを得るのだ。

 下手をすれば感染症などにかかって命を落とす者もいるという危険な儀式である。もちろん日本ではそんな強烈なことはできないが、その儀式のプロセスは、弱々しい彼氏を肉食系にしたい女子や、草食系部下に手を焼いている上司の方々にも大いに参考になるのではないだろうか。

 この命がけの儀式は、身体を1000ヵ所切る数ヵ月前からプロセスが始まる。スピリットハウスと呼ばれる、儀式を受けた男しか入れない神聖な小屋に、「ワニ男」候補者の若者たちがこもるのだ。