約7割が保守点検せず

 今回、同委員会が調査したのは、08年3月から17年11月までに事故情報データバンクに登録されている127件。このうち製品評価技術基盤機構による原因調査中のものや、原因不明のものなどを除いた72件が調査の対象だ。

 事故の内訳は、パワーコンディショナーや接続箱から発生した火災事故が59件。そして、太陽光パネルまたはケーブルから発生した火災事故が13件となっている。

 この13件のうち、屋根の下地に使われる野地板(可燃物)にまで延焼してしまったのは半数以上の7件。そのいずれもが、太陽光パネルと野地板の間に不燃材である鋼板が敷設されていない形態(鋼板等なし型)だった。

 住宅用太陽光パネルが設置された約237万棟のうち、この鋼板等なし型に該当する住宅は約4.5%に上るという。すなわち、こうした住宅は約10万7000棟ある計算となるわけだ。

 しかも、延焼した7件のうち、パネルの使用年数は7年以上の製品に集中している。

 その上、同委員会が約1500サンプルを収集したアンケート調査によれば、導入後に保守点検を実施していない世帯が全体の約7割に上ったようだ。

 こうした状況を受けて、太陽光発電関連業者で構成される太陽光発電協会は1月31日、記者会見を行った。「製品の不具合なのか施工の問題なのか。正確な原因はまだはっきりしていない段階」とした上で、「定期的な保守点検を必ずしてほしい」と訴えた。

 09年以降の太陽光発電システムの急速な普及から、今年で丸10年を迎えた。それら住宅用太陽光発電の設備が経年劣化していく中で、火災のリスクも比例して高まりつつある。節電や売電にばかり気が向きがちだが、各自できちんと保守点検を行い、自分で自分の家を守ることにも気を配るべきだ。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 大根田康介)