最初の5分で重要になってくるのが話術である。ここで絶対に使ってはいけないNGワードがある。「ですから」「だって」「でも」のDから始まる「D言葉」だ。感情的、一方的にまくしたてられるとついつい言いたくなる言葉だが、それでは火に油を注ぐだけ。ひたすら我慢し、相づちをうまく使って「D言葉」をSから始まる「S言葉」に変えよう。

 例えば「ですから」と言いたくなるのをこらえて、「さようでございますか」と相づちを打ち、「失礼いたしました」と言い換えると、相手は自分のことを理解してくれたと感じるだろう。

 5分たっても解決できなかったら、そこには必ず何らかの理由がある。次の段階では受け身の姿勢で話を聞き、相手の動機や目的を見極める。話を聞く時間は30分をめどにする。時間を決めて切り上げるようにしないと、相手のペースにはまってついついD言葉を使ってしまったり、出口が見えない苦しさから安易に要求をのんでしまったりすることになる。ここで解決を急ぐと、要求がエスカレートするので要注意だ。

 目安の30分を過ぎても相手が理不尽な要求を繰り返すようなら、「ギブアップトーク」を使う。「今すぐ答えろ!」「今すぐ来い!」などと迫られたら、「私一人では判断できません」「お急ぎかもしれませんが、今すぐというわけにはいきません」と返せばよい。ギブアップといっても相手の言いなりになるのではなく、一歩斜め後ろに身を引いて相手の土俵に乗らないようにするのである。