ノモックの吉田拓巳社長Photo by Akira Yamamoto

タクシー配車アプリ市場が盛り上がる中、ディー・エヌ・エーのMOVが手掛けた、広告収入によって乗車料金を無料にする「0円タクシー」が昨年末話題になるなど、各社は新たなビジネスモデルの構築を模索している。その中で、数年前から無料タクシービジネスに目を付けて活動をしているのが、九州のベンチャー企業nommoc(ノモック)だ。3月以降にローンチ予定のノモックのビジネスモデルについて、吉田拓巳社長に聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 山本 輝)

――サービスの内容を教えてください。

 まず“無料タクシー”とよく言われますが、私たちが目指しているのはあくまで新しい広告媒体を作ることです。

 いま広告の世界では、インターネットの登場によって、テレビCMなどのマス広告から、それぞれの属性に応じたターゲティング広告が主流になっています。企業がリアルコミュニケーションを重視する中、看板やサイネージ(電子看板)などでインターネットと同じようにターゲティング広告を打てるようになれば、大きな価値になる。

 個人を特定して広告を出せる場として最適なのは何かと考えたときに、ベストだと考えたのが「車両の中」でした。

 結果的に、広告費用によって運送費を賄うので、利用者は無料で乗れるようになります。根幹はフリーペーパーなどと同じ発想ですね。