なぜ、上司の「かばん持ち」が最高の仕事なのかPhoto:PIXTA

拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べた。第64回の講義では、「技術」に焦点を当て、拙著『人は、誰もが「多重人格」 − 誰も語らなかった「才能開花の技法」』(光文社新書)において述べたテーマを取り上げよう。

一流のプロの「人格切り替え」を観察する

 これまで、この連載では、「才能」を開花させる方法として、「人格」を開花させる技法を述べてきたが、前回(「一流のプロから学ぶべきは、スキルではない。人格の切り替えである」)は、「表層人格」を開花させる技法として、「『仕事のできる人』が、仕事でどのように『人格』を切り替えているかを、観察する」という技法を述べた。

 ここで、「観察する」とは、例えば、企画の分野であれば、仕事のできるプロフェッショナルが主宰する企画会議などに参加し、その人が会議参加者を前に「人格」を切り替える瞬間を、注意深く観察することである。

 また、営業の分野であれば、仕事のできるプロフェッショナルと商談などの場に同席し、その人が顧客を前に「人格の切り替え」を行う瞬間を、細やかに観察することである。

 しかし、そうした学びをするためには、実は、「一緒の会議に出る」という以上の技法がある。

 それは、「かばん持ち」をすることである。