この2社のうち、市場シェア拡大余地のある分野をより多く持つのはノキアだ。同社は光ネットワークやルーターの事業でもファーウェイと競争しているからだ。だが、ファーウェイ排除による恩恵はすぐには実現しないだろう。レイモンド・ジェームスのアナリストであるサイモン・レオポルド氏は、「どのような変化であれ、ゆっくりと起こると考えられる。数四半期かそれ以上の時間を要するかもしれない」とみている。

 ファーウェイは光ネットワーク機器でも独占的なシェアを握っている。同社への逆風はノキアのほかにシエナ(CIEN)の追い風となるかもしれない。レオポルド氏は専業メーカーであるシエナの方が影響は表れやすいと指摘する。

 ルーター分野の受益者はシスコとジュニパー・ネットワークス(JNPR)となる可能性がある。両社ともに、中国での事業の比重があまり高くないことが有利に働く。潜在的な報復措置から遮断されやすいからだ。

中国は西欧企業を完全に排除せず

 中国が特定の国からの製品のボイコットに積極的であることから、一部の企業にとって報復措置の脅威は現実である。例えば韓国の化粧品メーカーと旅行業者は2017年末、同国が米国製の迎撃ミサイルシステムを設置したことを受けた中国の報復措置に直面した。

 だがハイテクの場合、こうしたボイコットは中国により厳しい現実を突きつけるかもしれない。アリエル・インベストメンツの通信業界アナリスト、クリシュナ・チンチュタラッパリー氏は「ノキアの市場シェアはやや低下するかもしれないが、中国が西欧企業を完全に排除するとは思わない」と指摘する。「中国の国内市場は巨大だ。だが、中国がハイテク島国と化した場合、他の国が何をしているのか分からなくなり、追随する立場となる。そうした状況は、中国が追い求めている技術革新を阻害することになる」からだ。

(The Wall Street Journal/Reshma Kapadia)