【ソウル】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、汚職撲滅の一環として、私腹を肥やしたエリート層に対する粛正を断行した。50〜70人が追放か、投獄・処刑されたとみられている。  背景には、国際社会からの制裁措置で打撃を受けている国家財政を潤すほか、米韓との雪解けを進める正恩氏の方針に反対する政権内タカ派を排除する狙いがある。  今回の政治的な粛正では、自らの権威を利用して不正蓄財した従来の強硬派が標的となっているという。脱北者が創設したシンクタンク(ソウル)、北朝鮮戦略センターがまとめた報告書やアナリストらの分析で明らかになった。