企業が積極投資を計画しているのは、人手不足緩和のための省力化投資、IT化投資で、維持補修やM&A投資などを拡大する企業の割合は多くない。

景気後退シナリオも排除できず

 内閣府は今年1月の月例経済報告で、2012年12月から始まった景気回復が戦後最長となった可能性があると指摘していた。2月中に発表される今年1月の景気動向指数の結果などをみて、今年1月で最長になったことを「宣言」するとみられる。

 ただ、BNPパリバの河野氏をはじめ複数のエコノミストは、海外経済の減速で打企業部門が打撃を受け、アベノミクスが始まって以来6年にわたる景気拡大がピークアウトする可能性に言及している。

 他方、日本総研・調査部長の牧田健氏は、景気は頭打ち感が出てきたとしつつ「景気後退に陥るかどうか、鍵は中国経済が握る」と指摘。その上で、中国政府が景気対策を打てば急速な中国経済の悪化は避けられ、日本経済も腰折れするほど悪化はしないとの見方を示す。

 ただ、習近平政権は08年の「4兆元の景気対策」が過剰債務問題の原因になった点にも注意を払い、今回は前回の約半分の2兆円程度の対策にとどめるとの観測が広がっている。

 08年当時の同国の実質国内総生産(GDP)は32兆元で、景気対策はGDPの12%超の規模だった。18年のGDPは88兆元を超えており、2兆元の対策はGDPの2.3%程度にとどまり、景気浮揚効果よりも下支え効果になるとの分析も中国経済の専門家から出ている。

 さらに、米中通商交渉では2月末の期限が延長されるのではないかとの観測が根強く、日本経済の動向を大きく左右する中国経済の行方を巡り、しばらく目が離せない状況が続きそうだ。

(中川泉 編集:田巻一彦)

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