>>(上)より続く

「私は探偵をしています。今回のような霊的なことの理由は分からないですが、小さな情報でもいいのでお聞きできれば今後住まれる方への快適なお住まい提供にもつながるかもしれないので、お聞きしてよろしいでしょうか」

 立川さんは快諾してくれご自宅に我々を招いてくれました。私がまだ新人の探偵だったので先輩の通称レッドスターにもついてきてもらいました。教えてもらった住所に行くと非常に大きなお屋敷でした。

 挨拶をしてからまずはこのホラーハウスの経緯をお聞きしました。

「元々、私の父親が地主で他界した時に(奥様はすでに他界)長女である私が土地の権利を引き継ぎました」

 するとレッドスターがすかさず「ごきょうだいはいらっしゃいますか?」と質問しました。経験上よくある相続争いの可能性が高いと思ったみたいです。立川さんは曇った顔をして「妹が1人いますが父親とそりが合わず相続は私だけでした。さすがに姉妹の仲が悪くなると思い、いくつかの土地と皆さんにお貸ししている家は妹に管理してもらっています」。

犬を散歩させていた貴婦人は
ホラーハウスの関係者

 私も質問してみました。「なぜあの家は妹さんに管理をお任せになったのですか?」

 すると立川さんが「実は妹はあの家の隣の家に住んでいまして、あいにく私は足が年の関係で不自由にしていますので任せています」

 私はピーンと来ました。私が後輩の家を見にいった時に犬の散歩をしていた貴婦人が妹さんだと分かりました。ただ管理されている立場なのになぜあのような意味深な発言をしていたのか!?この時は分かりませんでした。

「妹が管理してくれているんですが、父親から私が引き継いだ時から、内装を業者さんと掛け合ってくれています。それでも3ヵ月でコロコロ居住する方が変わるので、妹の提案で賃貸ハウスはやめて、家を壊して駐車場にしようなど意見をくれています。今回の皆さんみたいな方にもご迷惑をかけている家ならばいっそのこと妹が言うようにしてもいいかと思うんですが。父と仲が良い方がスナックを何十年とされていたので思い出の物件ではあるんですよね…」