結局、大野投手の肘は完治することなく、高校卒業後は九州共立大に進学。外野手に転向し、その後、プロ野球巨人にドラフト5位で指名された。当然ながら再びマウンドに立つことはなく、故障前の投球を知るファンからは「プロで投手・大野を見たかった」という声も多かった。

対策、もはや待ったなし

 こうした現状に、プロ野球DeNAの筒香嘉智外野手が1月25日、日本外国特派員協会で記者会見し「連投、連投で肩や肘の故障が小中学生に増えている。メンバーも固定され、試合に出られない子どももいる」と問題提起。

 さらに「勝つことが第一に優先され、子どもの将来がつぶれてしまっている」「昨年も球数の問題が出た。本当に子どものためになっているのか」と厳しく指摘した。

 こうした指摘もあってか、高校野球だけではなく、少年野球でも見直しの機運は高まっている。

 2月14日には全日本軟式野球連盟が京都市で評議員会を開き、学童野球(小学生野球)で投球数を1日70球以内とする制限を、8月の全国大会から導入することを決めた。

 地方大会は1年の猶予を設けるが、ほかにも(1)野手も含め練習の全力投球は1日70球、1週間で300球以内、(2)練習は1週間に6日以内、1日に3時間以内、(3)1年間の試合数は100試合以内、などのガイドラインも作った。

 新潟県高野連が投じた一石に呼応した形の日本高野連。竹中雅彦事務局長は20日の理事会後、記者団に「(新潟の)方向性は間違っていないし、投球数制限を認めないわけではない。有識者会議でもう一度しっかりと議論して、1年後には(方針を)答申していただきたい」と前向きな姿勢を示した。

 新潟県高野連の富樫会長は「(日本高野連から)文書を受け取っていないので具体的なコメントはできないが、(投球数制限は)機関決定しているので何らかの形で検討して回答したい」と話した。

 地方に背中を押される形で踏み出した投球数制限の取り組み。子どもたちの健康と安全を守るためにも、具体的な対策はもはや待ったなしだ。