「つみたてNISA」をさらに拡大するための魅力的アップデートを考えるPhoto:PIXTA

1年で100万口座突破

 金融庁の発表によると、昨年創設された「つみたてNISA」の開設口座数が12月末時点で約103万7000口座となり、1年で100万口座を超えた。積立投資でゆっくりとしか増えない仕組みなので、資産残高は約947億5000万円とまだ小さいが、口座数は増えていくだろうし、資産も着実に増えていくはずだ(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20190213/01.pdfを参照)。

 つみたてNISAは、1人1年間40万円までの投資の利益に対する課税を20年間に渡って免除する制度で、(1)積立で投資すること、(2)金融庁が選定した運用商品に対象が限定されていること、(3)非課税期間の途中で資産を売却すると売却分の非課税枠は復活しないといった特色がある制度だ。

 中でも、(2)の金融商品の選定は、販売手数料がゼロで信託報酬が一定水準以下、毎月分配型ではないといった基準に基づく良心的なものだ。対面営業型の金融機関が店頭で売るような手数料の高い商品の大半が除外されているので、「失敗しにくい投資の制度」になっていると筆者は評価している。

 そういう意味でつみたてNISAは、実地で試すことができて、失敗しにくく設計されていて、投資を覚えるついでに資産形成ができる「良心的な投資教育教材」だと思う。普及の拡大は大いに結構なことだ。