田村眞司さんの運転で山本さん宅を目指す
田村眞司さんの運転で山本さん宅を目指す Photo by Kenji Momota

「それで準備完了です。では、行きますか」と、田村さん。

 道すがら、車窓を流れる風景を見ながら、地域の課題について意見交換が続いた。

 CX-5は江の川に沿って走る。このあたりは三次駅から島根県の江津駅を結ぶ全長108kmのJR三江線が通っていたが、2018年4月1日に全線廃止となった。作木町内でも三江線の駅は9駅あったが、現在は三次市が運営するJR代替バスの停留所になっている。

JR三江線の駅は、三次市が運用するJR代替バスの停留所に。ここで「さくぎニコニコ便」から乗り継ぐシステム
JR三江線の駅は、三次市が運用するJR代替バスの停留所に。ここで「さくぎニコニコ便」から乗り継ぐシステム Photo by Kenji Momota

 この他、コミュニティバスが走っているのだが、江の川沿いと周辺の山間地域は数百メートルの高低差がある中に集落が点在しており、自宅からコミュニティバスやJR代替バスの停留所までの移動が難しい住民が多い。いわゆる、交通空白地域である。

 世帯数687、人口1352人の作木町は、高齢化率(人口全体に対する65歳以上の割合)が50.8%に達している超高齢化社会である。

 CX-5は、江の川沿いから山間のくねくね道を上っていく。周辺には空き家が目立ち、耕作を放棄して荒れ果てた田畑が目立つ。水田の一部では泥が大きく掘り起こされている部分がある。これは、イノシシの仕業だという。

 出発から約20分で、目的のお宅についた。