営業職これからの時代ではどんな「営業」なら生き残れるのでしょうか Photo:PIXTA

営業職の募集が
減少している理由

 近年、とみに減ったと感じるのが飛び込み営業です。当社のオフィスには今でもたまに来ますが、以前と比べたら激減しました。

 当社の人材紹介実績においても営業の決定数は減少しています。ただしそれは営業の価値が低下したというより、モノやサービスを売る方法が変化、多様化していることの影響が大きいのではないかと考えています。

 例えば、かつて飛び込み営業一辺倒だった会社がホームページを活用し、見込み客をリストアップしてメールや電話で営業をかけるようになった、というような方法です。いわゆるインサイドセールスへの転換で営業の効率化をはかっているのですが、そうした会社では当然、インサイドセールス要員が増やされる一方で飛び込み営業要員が大幅に削減され、全体として営業職は減少するわけです。

 こうした営業活動に関するポジションや仕事内容のバリエーションがたくさん出てくるようになったため、昔のくくりでいう営業職の募集が減ったと考えられます。

 実際、以前なら我々に顧客企業から「営業が欲しい」と依頼があったとき、そこで想定されている「営業」のイメージはお互いにほぼ同じだったのでお客様の意図はすぐに共有することができました。しかし、現在は「御社の営業活動はどのように行っていますか」と、こちらから細かく確認していく必要があります。

 お客様に細かくヒアリングしていくと、「それは営業というより渉外担当というほうがよいですね」、「営業ではなくマーケティングとして募集をかけるべきです」といったことが起こるときがあるのです。

 このような状況を踏まえつつ、本稿では今後どのような「営業」が求められていくかを考えてみましょう。