労働分配率の高まり、利益減が主因 賃金への還元まだ進まず3月1日、10─12月期の法人企業統計では、2010年代以降、低下傾向にあった労働分配率が上昇に転じつつある様子が浮き彫りになった。写真は都内で2014年11月撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 1日 ロイター] - 10─12月期の法人企業統計では、2010年代以降、低下傾向にあった労働分配率が上昇に転じつつある様子が浮き彫りになった。ただ、分配の元手となる付加価値が景気減速で減益となる一方、人手不足などに伴って人件費が増えたことが背景となっており、企業から個々の働き手への還元が進んでいるとまでは言えない状況だ。

 大和総研チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏が独自の計算式で試算した労働分配率は、原数値で45.05%。昨年同期の43.94%から上昇していることがわかった。

 農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏の試算でも、61.3%(季節調整済み)と2四半期連続で上昇、16年4-6月期の水準まで一気に高まった。

 長期にわたり、企業が賃金を抑制してきたとの批判が高まっていた中での労働分配率の上昇は、表面的には、ようやく企業の収益が賃金に還元され始めたようにも見える。