業務の積み残しのボールの
投げ合いが起きている

 夕方にメールをしてくることの多い人に、「だいたい夕方の時間にメールをくださるようですが、何かメールの送信について配慮されているのですか」と、やんわりと事情を聞いてみた。すると、深夜や休日にメールを送信しないというルールに従っていること、しかし、仕事の積み残しは自分にとってストレスなので、時間内に送信するようにしているという意味の話があった。

 もしかしたら、深夜や休日にメールを受信するよりも、夕方の終業時間の間際に受信するメールの方が、それが勤務時間中であるがゆえに、時間外労働を誘発してしまいかねない。誰しも未返信のメールや未処理の業務が残っていることは、気持ちの悪いものだろう。これではまるで、仕事やメール処理の積み残しというボールを投げ合う、ババ抜きのようなことをしているようなものだ。

 このように申し上げると、「だったら何時までならよくて、何時以降ならダメなのか」「それではキリがないので、どこかで線引きをしなければならない」「勤務時間内ならよい、勤務時間外ならダメ、深夜労働にあたる22時前ならよい、後ならダメというルールが適当だ」などという声が届いた。

 確かに、ルールを決めるならば、どこかで線引きをしなければならない。しかし、私が申し上げたいことは、「一律に深夜の○時以降、休日はメールをしない」というようにルール化したとしても、いわば駆け込みで夕方にメールする人が増えてしまうので、このような一律のルールには限界があるということなのだ。

 このように、メールを送信する側に対して、送信時間を規制するルールを設けただけでは、時間外労働の抑制や、ストレス緩和のためには十分ではない。ではどうすればいいのか?

 実は、この話でカギを握るのは、メールを送信する側ではなく、メールを受信する側。メールを受信する人たちへの対応をすることで、時間外労働をうんと減らすことができるのだ。