グローバル経済、減速からの「早期回復」は可能なのかPhoto:PIXTA

 金融市場では、米国FRB(連邦準備制度理事会)が利上げを中断したことや、今後の中国の経済対策の効果に対する期待感から、グローバル経済の早期回復論が根強い。

 しかし、一方で、昨年10-12月期から観測され始めた中国の設備投資の冷え込みを起点とする「総需要ショック」が、日本を含む東アジアやユーロ圏などの工業国にすでに波及し始めている。

 果たして、グローバル経済の早期回復は可能なのか。

中国の投資落ち込みを「起点」に
昨年10-12月期から減速

 グローバル経済の減速の最大の原因は、中国の投資需要の落ち込みが、昨年10-12月期から各国に波及し始めたことである。

 2017年末に中国が過剰ストックや過剰債務の問題を解決すべく、財政・金融の引き締めなど構造改革路線を強化した。この結果、2018年年初から、トランプ減税で好調だった米国を除くと、中国経済の減速を起点に、グローバル経済の成長ペースの鈍化が始まった。