オロレー成功の要因は、競争力のある価格に設定し、米国の消費者に好まれるデザインを取り入れた、というだけではない。チウ氏は、アマゾンが導入した仕組みの恩恵を受けた中国の事業者の1人だ。アマゾンは近年、海外の業者が同サイトで商品を売るのを容易にするシステムを取り入れた。

 アマゾンで商品を売る米国の事業者は、この動きに警戒を強めている。特にアパレルのような業界で実店舗を構える事業者は、小さなブランドが大挙して押し寄せてくる脅威を無視する訳にいかない。こうしたブランドの多くが、中国を拠点にしている。

「たくさんのブランドが参入し、全体としては業界に大きな影響が出ている。全部まとめれて見れば、彼らが市場を奪いつつある」。こう語るのは、百貨店のメーシーズやアマゾンに商品を卸している米エクセル・ブランズのロバート・ドローレン最高経営責任者(CEO)だ。

 アマゾンは、中国からの参入で米国の事業者が脅かされているとの見方について、コメントを差し控えると回答した。出品者の売り上げを国別に把握している訳ではないとしている。

 アナリストは、今後も米国アマゾンへの出品者は増加し続けると分析する。中国国内では競争激化とコスト上昇で、アリババ・グループのサイト「天猫(Tモール)」などへの出品は魅力が減少している。

 実際、チウ氏は中国ではもう販売していない。米国以外では欧州、日本、台湾、オーストラリアで展開している。

「最初はアリババでも売っていたが、中国での競争の方が厳しかった」とチウ氏。中国国内で通販サイトの利用料が引き上げられたことも影響したという。