スイス・ジュネーブを本拠地に、王侯貴族や富裕層の資産を預かるプライベートバンクとして200年以上の歴史を誇るピクテ。パートナー制の経営だからこそ、世代を超えた信頼を得るーー。オンライン消費者コミュニティの開発・運営を手がけるクオン株式会社の武田隆代表取締役が、ピクテ投信投資顧問株式会社日本法人代表取締役社長の萩野琢英氏に、同社の「企業の遺伝子」を聞いた。
(この記事は2017年3月27日収録のラジオ番組『企業の遺伝子』の内容を活字にしたものです/オリジナル番組制作:JFN、番組企画:クオン株式会社、画像提供:ピクテ投信投資顧問株式会社、構成・編集:編集工学研究所、番組パーソナリティ:武田隆、春香クリスティーン)

春香 まず伺いたいのが、ピクテという社名です。初めて聞くという方も多いかと思いますが、どういうお仕事をされているのでしょうか?

萩野 ピクテはスイスのジュネーブに本社を持つ資産運用会社です。創業は1805年。もう200年以上の歴史があるプライベートバンクが母体です。私が代表を務めるピクテ投信投資顧問株式会社は、ピクテ・グループの日本の子会社になります。

1909年頃ジュネーブのピクテ銀行社屋1909年頃ジュネーブのピクテ銀行社屋

春香 プライベートバンクというのは、普通の銀行とは何が違うんですか?

日本にはない「専業のプライベートバンク」

萩野琢英(はぎの・たくひで)
1964年東京都生まれ。山一證券入社後、アナリスト業務を経て、ロンドン・ニューヨーク現地法人に勤務。2000年ピクテに入社後、日本で年金、投資信託、商品開発業務に携わる。2007年からはマネージング・ダイレクターとしてグループ本社(ジュネーブ)にて商品開発およびマーケティング業務に従事。2011年に日本法人の代表取締役社長に就任。ピクテ・グループ・エクイティ・パートナー。2016年より一般社団法人投資信託協会、資産運用業強化委員会委員。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。萩野琢英(はぎの・たくひで)
1964年東京都生まれ。山一證券入社後、アナリスト業務を経て、ロンドン・ニューヨーク現地法人に勤務。2000年ピクテに入社後、日本で年金、投資信託、商品開発業務に携わる。2007年からはマネージング・ダイレクターとしてグループ本社(ジュネーブ)にて商品開発およびマーケティング業務に従事。2011年に日本法人の代表取締役社長に就任。ピクテ・グループ・エクイティ・パートナー。2016年より一般社団法人投資信託協会、資産運用業強化委員会委員。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。

萩野 いきなりややこしいお話になってしまいますが、プライベートバンクとプライベートバンキングというのがありまして、この二つは実はちょっと違うんです。

 プライベートバンクというのは、プライベートバンキング事業が本業の金融機関。ピクテはこちらです。一方、メガバンクや証券会社が富裕層向けに行っている資産管理運用サービスのことをプライベートバンキングと言います。こちらは銀行なら融資、証券会社なら株式売買を行っているところに一部門として付け加えられたものです。


春香 プライベートバンキング事業が中心なのか、一部門なのかの違いということですね。


萩野 そうです。日本で専業のプライベートバンクというのは、実はないんです。

武田 プライベートバンクという言葉からして、これは個人の銀行ということですか?

萩野 鋭いご質問ですね。正解です。ピクテの本社があるスイス国内では、プライベートバンクという業態は、もともとは個人が経営する銀行という意味があるんです。個人といってもスイスではファミリー、要は家族経営で、その家族の名前が付きます。つまり、ピクテという名は「ピクテ家」ということなんですね。

武田 ピクテ家、ですか。でも、個人が銀行をやるというのは、どういうことですか?

一般の株主がいないパートナー制の経営

萩野 日本の金融機関は、通常は株式会社化されていますよね。ところが世界を見ますと、実は金融機関には「パートナー制」という経営方法もあるんです。株式会社だと株主がオーナーになりますが、パートナー制というのは、パートナーが所有者になります。ピクテはこのパートナー制を採用していて、現在6名のパートナーが会社の経営を行っています。つまり、個人の金融機関というわけです。

春香 社名には「株式会社」とありますが、これはまた違うんですか?

萩野 ピクテ投信投資顧問株式会社はジュネーブに本社があるピクテの子会社なので、この日本の株式会社の株主をたどると、ピクテのプライベートバンクを経営している6名のパートナーに行き当たります。