昨年9月にドラガリアロストが配信されると、ゲーム内のくじ引きで珍しいキャラクターを獲得するのが難しいとの不満の声がユーザーから上がった。キャラの獲得を試し続けて出費を重ねるプレーヤーが出る可能性があった。サイバーエージェントの関係者の話では、ユーザーの過剰な出費を防ぐため、任天堂からゲームの調整を要請されたという。

 あるサイバーエージェント関係者は「京都(任天堂)は一つのタイトルから大きくもうけることに興味がない」とした上で「私たちだけで運営していたら、もっとたくさん稼げていたと思う」と語った。

 任天堂の広報担当者は、ユーザーの出費についてゲーム開発会社と連絡を取っていることを認めたうえで、「各パートナーとは課金方式のみならず、どうすれば良質な遊びを提供できるか日々協議しながら、協業を進めている」と話した。

 任天堂と組んで「スーパーマリオラン」や「どうぶつの森」など多数のゲームを制作したDeNAは、スマホゲーム事業が不振に陥っている。DeNAの守安功社長兼最高経営責任者(CEO)は先月、同社が手掛けたスマホゲームの大半が苦戦を強いられていると語った。例外は単独で開発した「メギド72」で、このゲームのユーザー収入は好調だ。

 投資家は任天堂のスマホゲーム参入を称賛した。だが同事業の年間売上高目標は1000億円と控えめだ。ソニーの「フェイト・グランドオーダー(FGO)」などランキングの上位に入るゲームの場合、単独でそれ以上を稼ぐ。任天堂の2018年3月期通期のスマホゲームによる収入とその他のロイヤルティー収入は393億円だった。

 任天堂は先月、通信アプリ大手LINEと共同でマリオのキャラクターを使ったパズルゲームを制作していると発表した。任天堂の古川俊太郎社長は、1000億円の達成を目指してプレーヤー数の増加を図る中、スマホゲームのリリースに弾みをつけるため、さらに多くの開発会社との協業に前向きな姿勢を示した。

(The Wall Street Journal/Takashi Mochizuki)