――なるほど、新しい発想、新しい価値観を持った商品として?

「はい、何かもっと別の価値があれば、市場はいまの10倍や20倍になるはずです。現状のハンドル形電動車いすは、生活のために仕方なく乗っている方が多いと思います。そうした現状を変えたい。これに乗ること自体が楽しい、これに乗って友達に会いに行くことが楽しいなど、生活のなかで楽しみを見つけるための道具という、ポジティブな発想に転換したいのです。そうした観点で、デザインや機能のあり方を考えました」

結果的に高齢者向け需要を想定
さらにすべての年代層への普及も想定

――結局、「YFN-01」は高齢者向けの電動車いすなのですね。実際、同車が世界初披露されたのは、第45回国際福祉機器展(2018年10月10~12日:東京ビックサイト)ですし。

キャンプや観光など、様々な利活用方法を提案
キャンプや観光など、様々な利活用方法を提案 Photo by Kenji Momota
拡大画像表示

「たしかに、市場への参入のきっかけは、そうだと思います。ただし、商品のマーケティング戦略として、高齢者を消費者としたイメージが世の中で先行してしまうことは避けたい考えています。そのため、こちらの各種パンフレットにありますように、キャンプ、遊園地、観光地巡りなど、誰が乗っても楽しくて便利な乗り物という訴求をしています。高齢者が乗れるということは、広い世代の誰でもが気軽に乗れる、ということですから。その中で、高齢者にも使っていただきたいのです」

――そうした高齢者向け以外の需要を今後、どのように開拓していきますか?

「様々なトライを行っていきます。最初から可能性を絞ることはしません。例えば、4月に富士山麓で開催されるキャンプ関連のイベントでも弊社のブースを出展します。また、全国各地の大型遊園地などでも、実証試験に対する働きかけを始めています。弊社にはスノーモービルがありますが、事前に講習を受ける必要があるなど、気軽に乗ることに対するハードルがあります。そうした(最初の一歩に対する)ハードルを一番下げたモビリティ、というイメージで訴求をしていきたいと思います」