結局のところ、ファーマン氏もブランチャード氏も、コストに見合うメリットがあるプロジェクトへの支出を米国は敬遠すべきでないという見解を持つようになっている。特にブランチャード氏は、地球環境を救うために債務が膨らませるのは「名案だ」と話す。当然支出に限度はあるが、債務の利払い費用の伸びを経済成長ペースが上回る限り、借金を継続できそうだ。

 ケルトン氏に至っては、政府ができるし、やるべきだと考える範囲はもっと広く、債券市場や外国為替市場が許さないことを地球を救う支出を抑制する理由に挙げるのは、かなり筋が悪いと主張する。同氏は大統領選出馬を決めたどの人物ともまだ連携していないが、求職者全てに政府が仕事を保証するなどの一部のアイデアは、カマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出)などと共通している。

温暖化対策の1つである「グリーン・ニューディール」を訴える米議員ら写真はワシントンで2月。温暖化対策の1つである「グリーン・ニューディール」を訴える米議員ら(2019年 ロイター/Jonathan Ernst)

 またケルトン氏は、米国の通貨発行権を完全雇用や温暖化対策の財源確保などの実現に活用すべきだと論じている、ただパウエルFRB議長は先週の下院証言でこうした考えを全否定し、サマーズ氏らは他国で物価高騰や通貨危機を招くといった副作用があったと指摘した。

 とはいえMMTは批判的な立場の人々が積極的に反論せざるを得ないほど波紋を広げているのは間違いない。

 オバマ前政権のCEAスタッフだったベッツィ・スティーブンソン氏はツイッターでMMTについて「右も左もない。普通の人々が興奮が冷めた時点で代償を支払うような魔法の考えだけが存在している」と投稿した。

(Howard Schneider)

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