キヤノン、ニコンも参戦
“追われる身”になる

 こうした中、かつては全く太刀打ちできなかった巨大なライバルであるキヤノン、ニコンという一眼レフメーカーが、相次ぎフルサイズ市場に参入。さらに、この春にはパナソニックもフルサイズ市場への参入を宣言した。これまでほぼソニー1社しかなかった市場は、一気に競争が激化。ソニーは一転“追われる立場”となった。

 だが宮井は「競合と“戦う”という気はない」と言い切る。「そもそも、カメラの主要プレーヤーは日本企業だけしかいない。日本のエンジニアが世界にイノベーションを起こせる大事な分野。むしろオールジャパンでもっと映像文化やイメージングの世界を広げていけたら」。

 競合の動向を気にするよりも、顧客の期待を大きく上回るものを、ソニーらしさを失わないまま出し続けることができるのか。部内のエンジニアには米国時代の宮井のように、現場で顧客の声を集め続ける者も多い。

 米国で辛酸をなめた日々から8年、大手カメラメーカーの一角を確実に占めることになったソニー。競争が激化する中、宮井の目にはαの将来はどんな“写真”として映っているのだろうか。(敬称略)

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)

【開発メモ】αシリーズ

 2013年に世界で初めて一眼レフ並みの解像度をミラーレスカメラで実現したα7。その軽さや画質のよさ、静かなシーンでも撮影が可能などのメリットでハイアマチュアから圧倒的な支持を得た。αのけん引でソニーは18年通年でのフルサイズミラーレス市場シェアでトップ。フルサイズミラーレスカメラ市場全体では約40%のシェアを握る。

α7