これを察知したファーウェイは、イランとの取引を知る中国人従業員を米国から出国させたり、証拠を隠滅したと、検察側は指摘している。孟氏など幹部は、米国への渡航を見合わせるようになったという。

 ファーウェイ捜査に詳しい関係者2人によると、ローゼンスタイン司法副長官は2017年夏、ブルックリンの連邦検察に訴追を任せることを決め、ワシントンの検察は手を引いた。ブルックリン検察は、すでに司法省の資金洗浄対応部署と連携しており、他の省庁の担当者も、ブルックリン検察のチームに合流した。

 法律の専門家によると、違法にイランへ輸出された米製品の多くは米当局の捜査権限が及ばないため、銀行詐欺のルートの方が、訴追に早くたどり着ける可能性があったという。また、制裁違反や輸出違反より銀行詐欺の方が、他国政府に容疑者の逮捕と身柄の引き渡しを要請できる可能性が高く、時効も長かったという。

 孟氏とファーウェイは、銀行をだまして不正送金した詐欺の罪で起訴されている。訴追書類によると、前出のパワーポイント資料の「数々の不正確」な記述が、孟氏の訴追内容の柱になっているという。

 事件の指揮を執るようになってから12ヵ月後、ブルックリン検察は秘密裡に孟氏の逮捕状を取得した。

 その約4ヵ月後、孟氏が12月1日にメキシコに向かう途中でバンクーバーに立ち寄るとの情報が入り、カナダ当局に空港で拘束するよう要請した。

(Karen Freifeld/翻訳:山口香子、編集:久保信博)

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