公開されている投資データをロイターが分析したところ、ライダー関連スタートアップ約50社に対して過去3年間に投じられた企業・個人投資家の資金は10億ドル(約1110憶円)を超える。2018年には過去最高の4億2000万ドルを記録した。

自動運転車に搭載されたベロダイン社のライダ
自動運転車に搭載されたベロダイン社のライダ。オタワで2月撮影(2019年 ロイター/Chris Wattie)

 2021年半ばに登場予定のフォード初の自動運転車には、ベロダインとスウェーデンのサプライヤーであるベオニアがライダーを提供する予定だと、同プロジェクトに詳しい関係者が明かした。

 ベロダインのマータ・ホール社長は、この計画について「10億ドル以上の契約」と表現する。シリコンバレーで見られる自動運転の試作車の多くは、ライダー開発のパイオニア的存在である非上場のベロダインが製造する「HDL-64E」(7万5000ドル)を屋根に搭載している。

 だが、自動車メーカーと大手サプライヤーのあいだでは、どの技術が主流となるのか結論が出ていない。それは、この種のセンサーについては、大量生産とコスト削減を可能にする業界標準がまだ確立されていないことを意味する。

 投資家とスタートアップ企業にとって、初期投資の見返りが得られる見込みは薄い。産業調査会社IHSマークイットによれば、2025年の時点で自動車用ライダーはわずか25億ドルの売上高しか生み出さないと予想されている。

 ライダー関連スタートアップのルミナーの共同創業者でCEOを務めるオースティン・ラッセル氏は、全力で最新のライダー技術の開発・商品化・導入に取り組んでいるものの、「投資の追加によって乗り越えられる問題もあるだろうが、物理的な法則を乗り越えるわけにはいかない」と語る。ルミナーはスウェーデンのボルボ・カーズから出資を受け、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン傘下のアウディと開発契約を結んでいる。

「業界の大多数に足踏みをさせている根本的な障害は、そうした物理法則上の問題だ」とラッセル氏。

 スタートアップや自動車メーカー、サプライヤー、投資会社、調査会社の幹部ら20数名を対象とした取材で裏付けられたのは、ライダー技術については盛んに議論されているものの、見解の一致はほとんど見られない、ということだ。