2月18日の本欄で、「海外投資家は昨年後半にかけて落とした日本株のポジションを、(再度)積み増す可能性が高い」と述べたが、現在のところ海外投資家は5730億円の買い越しにとどまっている。

 2018年の記録的な売越額(11.8兆円、先物を含む)の後、海外投資家の売り圧力一巡だが、積極的に日本株を買おうという姿勢は見られない。世界市場の中で比較すると日本株の反発力が弱いことも見て取れる(下図参照)。

 一方、中国株式は年初から20%以上上昇した。1月後半から米中両国が貿易問題の着地点を模索し、中国政府が景気失速を防ぐ内需刺激策を拡大していることが評価されたとみられる。米国市場も昨年の下落分の多くを取り戻した。

 日本のTOPIX(東証株価指数)は昨年18%下落したが、今年に入ってからは6%程度の上昇にとどまっている。海外投資家の見方は米中と日本とで何が違うのか。

 海外投資家が日本株に強気になれない理由は二つあるだろう。