Noel Randewich

[サンフランシスコ 14日 ロイター] - 米ハイテク株は、10年にわたる強気相場が幕切れを迎えるとの警戒感から、昨年末にいったん売り込まれた。しかし年明け後は、米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ見送り姿勢を好感して反転上昇し、セクター別で年初来のリターン首位の座を奪回した。

フェイスブック<FB.O>、アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>、ネットフリックス<NFLX.O>、アルファベット<GOOGL.O>子会社グーグルの4社、いわゆる「FANG」も輝きを取り戻している。

こうしたハイテク株上昇の流れにしっかりと乗ったのが、企業価値10億ドル以上の未公開企業「ユニコーン企業」だ。ロイターは配車大手ウーバー・テクノロジーズ[UBER.UL]が4月にも新規株式公開(IPO)手続きを開始すると報道。同業リフトは今月初旬、ウーバーに先駆けてIPOを正式に申請した。[nL3N2114H2][nL3N20O5A3]

昨年10─12月に四半期ベースで2008年以来最悪の値動きになったナスダック指数<.IXIC>は持ち直し、この1─3月は12年以来で最も高い上昇率となる見通し。

ウェッドブッシュ・セキュリティーズでハイテク株を専門に取引するジョエル・クリナ氏は「昨年12月にはヘッジファンドが大量のリスク圧縮を余儀なくされた。しかし今では『FOMO(fear of missing out=乗り遅れる不安)』が蔓延している」と説明する。

S&P情報技術株指数<.SPLRCT>の今週に入ってからの上昇率は3.6%。年初来では16.4%と、S&P工業株指数<.SPLRCI>の15.4%をしのいでいる。S&P工業株指数の年初来上昇率は、2月以降セクター別のトップを走ってきたが、今週のボーイング<BA.N>株急落がブレーキになった。

ハイテク株の地合い好転は、全てのFANG銘柄が今年初めて、年初来上昇率でS&P総合500種を上回ったことからもうかがえる。

FANG銘柄をはじめとするハイテク株は昨年末、FRBの追加利上げや米中貿易摩擦激化への懸念が強まったため売り込まれた。しかしFRBは1月に入ると利上げを事実上棚上げし、市場にとって最大の不安要素が消えた。

フェイスブックはユーザーの個人情報の扱いを巡って当局から調査を受けており、株価はなお昨年7月に付けた過去最高値を22%下回っている。とはいえ、投資家心理の改善を反映し、昨年12月からは株価が30%上がった。

ネットフリックスは昨年第4・四半期決算が投資家の期待を裏切り、ウォルト・ディズニー<DIS.N>などとの競争が激化しているにもかかわらず、今年に入って株価が34%上昇している。

投資家の多くは、米国と中国は貿易協議で合意し、今年のハイテク企業の利益が拡大する道が開かれると自信を強めている。

ナショナル・セキュリティーズの首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「米中は根くらべの状態になっている。どちらも協議をこのまま長引かせたいとは思っていない。中国経済は減速しつつあり、トランプ大統領は勝ちを手にしたい。両者いずれにも合意に向かう動機がある」と述べた。

リフィニティブIBESのデータによると、昨年トランプ大統領の大型減税で大きく伸びたハイテク企業の1株利益は、今年は平均で1%減少する見通しだ。

ただホーガン氏は、この予想は米中貿易摩擦の影響を織り込んだ最近の業績見通しに基づくもので、貿易協議に合意すれば先行きは一気に変わる可能性があるとみている。

一方、半導体メーカーのエヌビディア<NVDA.O>が11日、イスラエルの半導体設計会社メラノックス・テクノロジーズ<MLNX.O>を68億ドルで買収すると発表し、ハイテク分野でM&Aが活発化するとの思惑が広まっている。

ウェッドブッシュ・セキュリティーズのクリナ氏の話では、急成長中のクラウドコンピューティングの分野ではマイクロソフト<MSFT.O>がアマゾンとの差を縮める一方、アルファベットがかなり遅れており、今後M&Aの案件が増えるとはっきり期待できる。

ISEクラウドコンピューティング指数<.CPQ>は年初から18%上昇している。

フィラデルフィア半導体指数<.SOX>の年初来の上昇率は17%。需要の落ち込みを巡る先行き不透明感は重しだが、投資家の多くは米中貿易協議の妥結や、次世代通信規格「5G」に絡むビジネスの増加を想定し、半導体セクターに資金を投じている。