ウェッドブッシュ・セキュリティーズでハイテク株を専門に取引するジョエル・クリナ氏は「昨年12月にはヘッジファンドが大量のリスク圧縮を余儀なくされた。しかし今では『FOMO(fear of missing out=乗り遅れる不安)』が蔓延している」と説明する。

 S&P情報技術株指数の今週に入ってからの上昇率は3.6%。年初来では16.4%と、S&P工業株指数の15.4%をしのいでいる。S&P工業株指数の年初来上昇率は、2月以降セクター別のトップを走ってきたが、今週のボーイング株急落がブレーキになった。

 ハイテク株の地合い好転は、全てのFANG銘柄が今年初めて、年初来上昇率でS&P総合500種を上回ったことからもうかがえる。

 FANG銘柄をはじめとするハイテク株は昨年末、FRBの追加利上げや米中貿易摩擦激化への懸念が強まったため売り込まれた。しかしFRBは1月に入ると利上げを事実上棚上げし、市場にとって最大の不安要素が消えた。

 フェイスブックはユーザーの個人情報の扱いを巡って当局から調査を受けており、株価はなお昨年7月に付けた過去最高値を22%下回っている。とはいえ、投資家心理の改善を反映し、昨年12月からは株価が30%上がった。

 ネットフリックスは昨年第4・四半期決算が投資家の期待を裏切り、ウォルト・ディズニーなどとの競争が激化しているにもかかわらず、今年に入って株価が34%上昇している。

 投資家の多くは、米国と中国は貿易協議で合意し、今年のハイテク企業の利益が拡大する道が開かれると自信を強めている。

 ナショナル・セキュリティーズの首席市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「米中は根くらべの状態になっている。どちらも協議をこのまま長引かせたいとは思っていない。中国経済は減速しつつあり、トランプ大統領は勝ちを手にしたい。両者いずれにも合意に向かう動機がある」と述べた。