ベトナムの実家は農家で、知り合いから日本に行けば1ヵ月で15万円稼げると聞き、日本に行くために90万円くらいの借金をした。実際には月に約13万円程度を稼ぎ、最初の1年間は買い物もせず節約して借金を全て返したという。

 ベトナムに帰ったら何をしたいか聞くと「日本語を使う仕事をしたい。日本語の先生とか」と答えた。ベトナムで建設業に就くつもりはない。

技能実習から労働者としての受け入れへ

 技能実習制度は、日本で培われた技能・技術の開発途上地域への移転を目的とし、「人づくり」に寄与する国際協力という名目で1993年に始まった。

 しかし、労働力不足に悩む製造業や建設業にとって、実際は安価な労働力確保の手段として使われた面があり、外国人実習生に対する賃金未払いや暴力、セクハラなどがたびたび問題となってきた。

 今後ますます深刻化する労働力不足に対応するため、政府は4月から入管法を改正し新たに「特定技能」という在留資格を創設、実習生ではなく労働者として外国人を受け入れる制度を始める。5年間で最大34万5000人を受け入れる計画だ。

 安倍首相は「移民政策はとらない」としているが、今回の入管法改正は、実質的に移民政策に踏み込んだとの見方が強い。

 全統一労働組合の佐々木史朗書記長は、新たな制度を導入した背景について「技能実習制度で、バックドアから(労働者を)入れようとしていたことが破綻をきたし、正面から受け入れざるを得なかった結果」とみている。