技能実習制度の問題点は積み残し

 技能実習制度の下で起こっている問題は、新たな制度の下でも起こり得るとの見方が強い。

 技能実習制度では、OTITが「技能実習の適正な実施および技能実習生の保護を図る」との目的で監督を行っていた。新たな制度ではこれにあたる機関はなく、違法な契約や人権侵害をチェックする機能が不透明だ。

 賃金については「日本人と同等」とされているが、技能実習制度では法定最低賃金を下回る給料しかもらえなかったケースや、家賃の名目で数万円を給料から天引きされるケースが多く報告されている。こうした問題は、新たな制度のもとでも起こり得る。

ベトナムの正月を祝う人たち埼玉県川口市のカトリック教会で2月、ベトナムの正月を祝う人たち(2019年 ロイター/Issei Kato)

 新制度の下での特定技能1号では、労働者として最大5年間働けるにもかかわらず、家族を帯同できない。

 新潟県見附市の第一ニットマーケティング株式会社で婦人服の縫製をする技能実習生として働くベトナム人のグエン・ティ・トゥイ・フォンさん(29)は、ベトナムに夫と小学生の子どもを残して来ている。

 ロイターの取材に対し、彼女は「最初はお金を稼ぐために日本に来たけれど、住んでみると日本は便利だし、空気もきれい」なので、できれば家族で日本に住みたいがそれは許されない、と語った。