――まずはレジ。

 音楽配信の設備を営業するときと、レジを導入いただくときのタッチポイントは明らかに異なります。音楽配信の導入というのは、経営者が開業の直前に選ぶようなサービスですが、レジはもっと早い段階で営業が必要。

 レジは音楽配信の機器ほど操作が単純ではなく、初期は現場の混乱もありましたが、「レジを起点としてIoTプラットフォームを構築する」ということを継続して説き続けました。その甲斐(かい)あってか、現在は安定してサービスを提供できるようになっています。また、他社には構築が難しいサポートスタッフが全国にいますので、お客様からご連絡があればすぐに駆け付けられる。その安心感が我々の最大の強みです。

――タブレットPOSレジ業界は競合も多いですし、できるだけ早く営業に行かないといけないということですね。しかし、開業前にどうやって営業をかけるのですか。

 自社独自の情報をベースに、新規オープン店をマッピングする営業ツールを持っています。その情報を頼りに営業に行くと、建設工事中だったりするんです。でも、レジの営業の場合、工事中だとすでにタイミングを逃していることがほとんどです。

 ですので、開業よりさらに前の段階、「お店を開業しよう」と意思決定したタイミングをつかみたい。ではそのときに、その人に寄り添えるサービスを提供するには、USENが今まで積み上げてきたノウハウを結集して、開業サポート・営業支援の拡充をやっていかないといけないのではないかと考えました。そこで生まれたアイデアが起業支援サイト「canaeru」につながりました。

開業の前段階から「囲い込み」
全てのサービスは無料で提供

――開業の前段階から「囲い込む」ということですね。

 はい。営業の現場にいたころから、この構想は自分で持っていて。どこでお店を開くべきかという物件選びの段階からお客様のサポートに着手しないと、当社として理想の営業行動になっていかないと思っていました。

 canaeruは私の直轄の事業として、2016年12月にローンチしましたが、ブレストだけで1年半くらいかけました。グループ全体で75万件のお客様がおり、USEN単体では約62万件です。その中でも飲食店の比率は高く、特に中小の個店が約43万件で、canaeruはそういったクラスの店舗開業を検討中の方々が主なターゲットです。