部下を見下す「指示マシン」リーダーが改心して起きた職場の劇的な変化

かつて生産性ナンバーワンだった日本の製造業を中心とする企業が、なぜ世界の後塵を拝するようになってしまったのか。DOL特集『ルポ 闘う職場~働き方改革では生産性は上がらない』では、日本企業を覆う「仕事力損壊」の実態を浮き彫りにしつつ、そこからの脱却を目指す企業人たちの悪戦苦闘のドラマをリポートしていく。第10回は、部下を見下して指示マシンとなっていたリーダーの改心と、そしてその後に起きた職場の変化を追った。(ライター 根本直樹)

部下は自分よりも能力の低い人間だと
思い込んでいた

「以前の僕は、部下の力を全く信じていなかった。僕より能力が低い人間だと勝手に考えていた。だから、全て手取り足取り教えてあげないと何もできないと思い込んでいて、実際そのようにしていました」

 こう語るのは、三井E&S造船で長年溶接のエンジニアとして働いてきた岡田直洋(33歳・入社11年目・玉野艦船工場艦船建造部生産管理課生産管理グループ長)だ。