メイ氏の退席後、残りの27ヵ国首脳の間で激論が交わされた結果、英議会が離脱協定案を来週承認した場合、5月22日までの延期に応じることで合意した。一方、承認されなければ、英国は4月12日までに新たな計画を示すか、合意なき離脱を選ぶ必要があるとした。

 EUは英国が加盟国にとどまるためには5月23日に欧州議会選を実施する必要があるとしており、4月12日は、法律で定められている通知期間である6週間前に当たる。

選択肢はオープン

 EUのトゥスク大統領は記者会見で、4月12日まで「全ての選択肢が残されており、崖っぷちの日は先送りされる」と述べ、「英政府にはまだ、合意、合意なき離脱、長期延期、離脱撤回の選択肢が残されている」と指摘した。

 メイ首相は離脱撤回や、欧州議会選の実施が必要になる長期延期に否定的な見方を示し、来週の議会採決で支持を得られるとの考えを強調した。

 EUの瀬戸際外交の背景には、英議会に圧力を掛ける狙いがあるかもしれないが、無秩序な離脱を回避する取り組みによって、景気減速やナショナリズムの拡大など他の課題に直面するEUの足を引っ張っているとのいら立ちも強まっている。

 マクロン仏大統領は「われわれはEUの利益を守る措置を提案した」とし、「内部の対立を解消する責任は英国にある。EU内に対立はない」と述べた。

 メルケル独首相は産業界への配慮から、無秩序な離脱を回避するため「ぎりぎりまで取り組む」と述べ、慎重な対応を促した。

 英国が3月29日に合意のないまま離脱した場合、EUは批判にさらされる可能性があったが、EU外交筋は、英国が欧州議会選の実施について判断する期日である4月12日まで危機を先送りすることで、EU首脳らは批判のリスクを回避したと指摘した。

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