ラボバンクの市場ストラテジストであるマイケル・エブリー氏は、「怒りの時代:市場におけるポピュリズムの意味」と題するリサーチノートの中で、ポピュリスト政党が公的支出拡大への要求を補強するためにMMTを利用することを投資家は想定すべきだと述べている。

 エブリー氏は、「(市場は)真のパラダイム転換が生じるリスクが今後大幅に高まる事態に備えるべきだ」と警告している。

経済は崩壊するか

 とはいえ、マクロ経済学の原則を無視することに前向きな政治家が当選しない限り、こうした動きはたいして意味を持たない。そして当然ながら、財政の専門家たちの意見は、MMTを否定するという点でほぼ完全に一致している。

 各国政府が通貨を気ままに発行することを許されれば、ハイパーインフレと経済崩壊への悪循環が始まってしまう、というのが彼らの見解だ。

 ECBのチーフエコノミストであるプラート専務理事は最近、インターネット上での質疑応答で、「中央銀行による財政ファイナンスという発想全般が危険な主張だ」と回答。

 プラット氏は「過去には、そうした発想がハイパーインフレと経済の大混乱をもたらした」と述べ、「中央銀行が独立性を備えるべき理由はそこにある」と付け加えている。

 シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスが実施した調査によれば、経済専門家の88%は、「債務返済に充てる通貨はいつでも発行できるのだから、自国通貨で借入可能な国家は政府債務を懸念する必要はない」という主張に「同意しない」と回答した。