欧州では5月の欧州議会選を控えてポピュリズムが勢いを増す懸念3月22日、欧州では5月の欧州議会選を控えてポピュリズム(大衆迎合主義)が勢いを増す懸念が出てきた。仏ストラスブールで昨年11月撮影(2019年 ロイター/Vincent Kessler)

[ロンドン 22日 ロイター] - 欧州では5月の欧州議会選を控えてポピュリズム(大衆迎合主義)が勢いを増す懸念が出てきた。このため投資家の間では、政治的不透明感が高まり、株式市場のボラティリティが増大する方向に賭ける取引が広がりつつある。

 既にユーロ圏のボラティリティを測る指標で「欧州版恐怖指数(VIX)」と呼ばれるVSTOXX先物はこの数週間に急上昇。4月きりの15.35に対して5月きりは16.8と上昇ぶりが目立つ。

 BNPパリバの株式・デリバティブ・ストラテジーヘッド、エドムンド・シン氏は「欧州にはポピュリズムの波が押し寄せてており、欧州議会選が行われる5月ごろにちょっとした波乱がありそうだ」と話す。

 欧州議会選は5月23─26日に投票が行われるが、ユーロ圏ではこれまでの移民政策や財政引き締め策に対する反発が強い。

 目下の選挙戦では欧州連合(EU)懐疑派や極右候補の支持率が高まっており、中道左派や中道右派などの主流派が初めて過半数議席を失う恐れがある。

 ソシエテ・ジェネラルの欧州株デリバティブ部門責任者エルベ・ギヨン氏は、ポピュリズムの台頭が最近の投機的取引活発化につながったと分析。「政治面の不透明さを生んでいるのは米国よりも欧州だ。投資家はこうしたイベントに絡むボラティリティ上昇で利益を得ようと非常に大きな取引を行っている」と述べた。

 VSTOXXは、金利上昇や世界的な景気減速、米中貿易摩擦への不安から世界的に株式相場が下落した昨年末に付けた26超の水準を依然として大きく下回っている。

 しかしVSTOXXの取引が突然勢いを取り戻したことから、投資家が新たな投資機会を探している様子がうかがえる。

 ブルックス・マクドナルドのエドワード・パーク最高投資責任者は、こうした取引の一部は英国のEU離脱を巡る不透明感がなかなか消えないことも原因だと指摘した。

 米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)がハト派的な政策運営姿勢に転じたため、通貨や債券、株式では今年に入って全体にボラティリティが低下していた。

(Josephine Mason記者)

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