2017年6月の映画『ラオス 竜の奇跡』の公開を最後に、筆を休めてしまっていた本稿。日ラオス初の合作映画は、日本、ラオス、タイの映画祭や劇場など22カ所で上映を終えた(現在は自主上映会など)。
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帰国後は活動を一転、18年1月から日本でラオス料理の普及を目的とする移動式キッチン「ラオス食堂」を始め、東京を拠点に全国を周りながら、年に一度ラオスを訪れている。
今回は、2月から3月にかけて滞在したラオスの今を新旧の写真とともに書き留めてみたい。
世界一静かな首都とも謳われるビエンチャンだが、近年の開発は著しい。建築規制が緩和され郊外には高層ビルの建築ラッシュ、市内には大豪邸がチラホラと出現し、車両増加による朝夕の渋滞、高級外車ロールスロイスも街中を走る。
国家の経済成長率は7%前後をキープし、日系企業や在留邦人の数も増えているようだ。しかし、ラオスの景気は本当に良いのだろうか?

その前に余談を少し。ラオス入国の前に立ち寄ったタイ国境の町ノンカイに、テスコ・ロータスというショッピングモール隣接のスーパー(以下、ロータス)がある。以前から比べると、スーパーにある生鮮食品売り場の品数は薄く、ショッピングモール内の照明もどこか薄暗かった。
ロータスといえば、ラオス人やラオス在住外国人が毎週末の買い物で賑わう場所だった。私もラオスにはない人々の活気に購買意欲を刺激されたものだが、ラオス政府が国内消費を促進させるために入管での関税徴収を強化したため、客足は減少、これにタイ側の外国人の陸路入国制限(年2回)が追い打ちをかけ、優良な消費者だったラオス在住外国人によるタイでの日帰りショッピングに歯止めをかけた。
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とはいえ、ノンカイ市内でラオス人のグループも複数見かけたので、まったく行かなくなったということではない。いずれにしても、国境のビルボード広告は減り、ノンカイ一のショッピングモールの照明は灯りを減らし、生鮮売り場の品数は薄くなった。

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