さらに、首都高速の合流や、車線変更時に強めにアクセルを踏み込むと、前後モーターによる四輪駆動での強烈な加速を感じる。カタログ値では、停止状態から時速100キロまで4.8秒。確かに凄い数値だが、ライバルであるテスラモデルSやモデルXの四輪駆動標準モデルと比べると、若干だが数値は劣る。だが、テスラとは少し違った加速感に思えて、筆者個人の感想としてはテスラより速く感じた。

 車内タッチスクリーンでの設定で、回生ブレーキの高・低を選択できるが、高を選択すると、アクセルだけでのワンペダルドライビングとなり、これが楽しい。さらに、アクティブ・サウンド・デザインという設定で、駆動モーター音を調整できる。

 走り味については、エコモードからパフォーマンス性が強いモードまで数段階で調節できるが、エコモードであってもかなりアグレッシグな走りを披露することに驚いた。

先進性を強調するカラーバリエーション先進性を強調するカラーバリエーション Photo by Kenji Momota

独特な走り味の秘密
そこにあるのは「ジャガーらしさ」の追求

 正直なところ、I-PACEがここまで凄みのある走りをするとは想像していなかった。ここ1年ちょっとで、欧州や北米の自動車ショーではコンセプトモデルとして、また技術展示車両として、メディアの間でもすっかり馴染みとなってきたI-PACE。欧州プレミアムメーカーでは近年、欧州のCO2規制や中国の新エネルギー車規制への対応として、EVモデルを積極的に市場導入する動きがある。

 そうした流れの中で、ジャガーのEVも世界各地での必要枠を満たすためのモデル、そんな程度に見ていたのだが、今回の日本公道試乗を通じて、I-PACEに対する考え方が180度変わった。同様の意見は、今回参加したメディア関係者の多くはもとより、ジャガーランドローバージャパンの社員たちの間からも聞こえてきた。

 I-PACEは近年中に競争が激しくなるプレミアムEV市場における伏兵であることは間違いない。なぜ、I-PACEは、テスラやリーフなど、現在市場で主流となっている他のEVと比べて独自性の強い走り味を実現できているのか?