その背景にあるのが、ジャガーブランドの創業者、サー・ウイリアム・ライオンズが貫いた「ジャガーは、美しく、速いクルマ」という信念である。これに近年の先進技術であるEVやコネクテッドなどの、インテリジェントカーとしての魅力を付加したのが、I-PACEである。

 I-PACEを皮切りに、ジャガーは2020年以降、全モデルでEVやプラグインハイブリッド車などの電動車を設定することを明らかにしている。

 全モデルとは、2ドアスポーツ「F-TYPE」のスポーツ領域、4ドアセダン「XJ」「XF」「XE」のラグジュアリー領域、そして近年世界各地で需要が拡大しているSUVやクロスオーバーによるライフスタイル領域である。

 このうち、ライフスタイル領域では、「PACE」シリーズとして、「F-PACE」「E-PACE」そして「I-PACE」というラインアップ構成になる。

I-PACE専用に設計されたモーターとギアシステムI-PACE専用に設計されたモーターとギアシステム Photo by Kenji Momota

 サー・ウイリアム・ライオンズによるジャガーらしさのうち「美しさ」について、I-PACEの最大の特徴は、キャブフォワードデザイン(乗員が前にいる)だ。EV用モーターがガソリンやディーゼルエンジンと比べて小型化されているため、ホイールベースを伸ばして、前後のオーバーハングを思い切り短くした。車内空間は外から見るより、車内に入った時のほうが広く感じる。ジャガー本社関係者はこれを「ボディサイズはポルシェの小型SUVであるマカン級だが、車内空間は車格がさらに上のポルシェカイエン級に広い」と表現する。

 インテリアでは、タッチスクリーンを二段組みした前衛的なデザインを採用。ルーフには特殊なコーティングを施したガラスを配置。サンシェードがなく 開放的なキャビンを実現している。

ルーフは特殊なコーティングを施したガラスを採用ルーフは特殊なコーティングを施したガラスを採用 Photo by Kenji Momota