統一地方選への無関心に警鐘、地方議会はもはや「改革待ったなし」だ地方議会の多くは機能停止の状態。それを改革するために地方選への無関心をやめ、どんな人材を立候補させるべきかPhoto:PIXTA

過去最低の投票率という
統一地方選の恥ずべき現実

 統一地方選の前半戦が終わりましたが、話題になったのはクロス選となった大阪の首長選など一部の首長選だけで、前半戦で行われた41の道府県議会議員選挙の投票率は、過去最低だった前回2015年の45.05%をさらに下回る44.08%でした。

 ちなみに、前半戦で行われた道府県議会議員選挙では、合計945の選挙区の39%に当たる371選挙区で議員の定数を超える立候補者がいなかったため、それらの選挙区で計612人の地方議員が無投票で当選となりました。

 この事実は、すごく異様な日本の現実を示しているのではないかと思います。当たり前の話ですが、住民に一番近い基礎自治体である市町村は、教育や社会福祉、地域経済の活性化など、住民にとって最も身近な行政を担っています。そして、インフラ整備など市町村を超える広域に及ぶ重要な行政課題は、都道府県が担っています。つまり、地方自治体の行政の出来不出来は国政以上にその地域の住民の生活に直結するのです。

 したがって、地方行政が適正に行われているかを監視し、不十分ならば独自に条例を制定できる地方議会の存在は、各地域の住民にとって非常に大きなもののはずです。当然、地方議会議員には相応の問題意識と能力を持った人が選ばれるべきです。

 ところが、全国の地方議会の平均では、地方議員の平均年収は800万円と勤労者の平均年収の2倍近い一方で、地方議会の開催期間は年間で約93日ですから、なんと4日に3日はお休みで地方議員としての務めを果たしていないことになります。

 かつ、これも全国の地方議会の平均で見ると、地方議員の側が条例を議会に一つも提出していない“無提案議会”が91%、首長(=行政)の側が議会に提出した議案を1つも否決していない“丸呑み議会”が50%もあリます。はっきり言えば、多くの地方議会はまともに機能していないのです。