中古車でも価値が維持できる電池に

 HVの3つの基幹部品のうち、電池の技術については「まだ完成していない」(寺師副社長)ため、トヨタは無償開放を今回見送り、個別に対応するという。トヨタはパナソニックとともに、20年末までの電動車用電池生産の合弁会社設立に向けて準備中だ。両社は20年代前半からHV用の約50倍の容量を持つEV用電池の量産を本格化するほか、リチウムイオン電池より容量が大きく安全性も高い「全固体電池」と呼ばれる次世代電池の研究開発にも取り組んでいる。

 充電を繰り返すと携帯電話の電池が劣化するように、車載用電池でも経年劣化は大きな課題だ。寺師副社長は11日のロイターとの取材で、電池残量の減少を理由にEVの中古車価格が下がっている現状を受け、個人的な思いとして「5―10年乗っても、9割くらいは電池として使えるようにならないとお客様の車の価値にならない」と話し、技術の完成を目指すとした。

 トヨタの品質が良くても、例えば、米国における中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のように「海外では政治的見地から排除されるリスクもある」と、SBI証券の遠藤氏は指摘する。

 トヨタは思惑通りに他社を囲い込み、電動車市場で存在感を示せるか。EVを強化している独フォルクスワーゲンなどの完成車メーカー、HV関連の部品・システムを外販する独ボッシュなどのメガサプライヤーが今後、どう動くかも注目される。

(白木真紀 取材協力:田実直美、Joe White 編集:田巻一彦)

Copyright©2019 Thomson Reuters 無断転載を禁じます