なぜ、「適材適所」という考えが、才能の開花を阻んでしまうのかPhoto:PIXTA

拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べた。この第67回の講義では、「技術」に焦点を当て、拙著『人は、誰もが「多重人格」 − 誰も語らなかった「才能開花の技法」』(光文社新書)において述べたテーマを取り上げよう。

「不遇の時代」は、実は絶好機

 前回、一流のビジネスパーソンは、「不遇と思われる環境」においても、「希望していなかった仕事」においても、その仕事に正対し、前向きに取り組むことによって、結果として、自分の中の「隠れた人格」を引き出し、「隠れた才能」を開花させていったという話をした。

 実際、「苦手」と思う仕事も、「不遇」と思う時代も、捉え方によっては、それまで自分の中に眠っていた「人格と才能」を開花させる、絶好機に他ならない。