上がる当局の目線

 マネーフォワードが挙げた参入延期の理由は、仮想通貨交換業者に共通する課題だ。今秋に金融活動作業部会(FATF)の第4次対日相互審査を控え、金融庁は交換業者にもマネロン防止体制の強化を求めている。

 コインチェックは、マネロンに悪用されるリスクが高いモネロなどの仮想通貨の扱いを取りやめた。だが、金融庁幹部は「仮想通貨そのものが、マネロンの温床だ。匿名性の高い通貨をやめればいいというものでは決してない」との見方を示し、各社の取り組みを注視している。

 マネロン防止体制の確立のためには、本人確認、疑わしい取引の洗い出しが継続的にできる体制作りに加え、内部監査体制、サイバーセキュリティー対策など広範な体制整備が必要となり、多額のコストがかかる。

 今年1月に登録業者になったコインチェックは、体制整備にかかるコストがかさみ、3四半期連続で税引前損失となった。

 昨年6月、金融庁はマネロン防止体制に不備があった仮想通貨交換業者6社に対し、資金決済法に基づいて行政処分を一斉に出したが、まだ1社も処分解除となっていない。それどころか「マネロン防止の出発点となる、リスクの特定もまともにできていないところがある」(金融庁幹部)のが実情で、金融庁は危機感を募らせている。