現在の最大の焦点は、①再選挙を経て成立するギリシャの新政権が、今後、いかなる政策を選択するのか、具体的には、巨額の債務をいかに取り扱うのか、ユーロ圏ないしはEUに残留するのか否かと、②スペイン問題にみられるように、ギリシャを巡る今後の情勢が、ユーロ圏他国の財政運営に伝染することはないか、の2点であろう。

 本稿では、ギリシャおよびユーロ圏が置かれている状況を、その双方の立場からまず分析し、再選挙後にどのような政策的アクションがあり得るのか、それによっていかなる影響が及び得るのかを検討する。 

12年だけでGDPの5割に当たる
1120億ユーロの支援が必要

 2009年秋に財政危機に陥って以来、混乱が長期化し、収束のめどが立たないギリシャ経済は、極めて厳しい状況に追い込まれている。実質GDP成長率のマイナス幅は拡大する一方で、2011年には▲6.9%、12年も▲5%程度のマイナスとなることが見込まれている。失業率も上昇の一途をたどり、11年末には21%に到達している。

この間、ギリシャは、2010年5月から11年12月までの6次にも及ぶユーロ圏各国、IMFによる総額730億ユーロの支援融資を受け、ギリシャ自身も厳しい財政緊縮を実行している。加えて、今年3月には、民間債権者が保有するギリシャ国債について、1070億ユーロ相当の債務減免も受けている。

 にもかかわらず、ギリシャ財政は、バケツに穴が開いたような状態となっており、2014年に至るまでの向こう3年間、EU各国およびIMFによる支援融資が毎年実行されなければ、財政収支の赤字を埋められない状況にある(図表1)。

 しかも2012年にギリシャが単年で必要とする、EUおよびIMFからのカバー(支援融資)額は1120億ユーロと、同国の2012年の名目GDP(2040億ユーロの見込み)の5割強に相当する膨大な額に達している。国際金融市場におけるギリシャの国債発行再開は2015年と見込まれているが、実現可能性は甚だ心許ないといえる。