コンビニを抜いてドラッグストアが「小売王者」に?数字で読む根拠コンビニとドラッグストアの各トップを走るのはセブン-イレブンとウエルシア。売上高ではセブン-イレブンに軍配だが、利益の割合でみたらどうだろうか?(写真はイメージです)Photo:PIXTA

「業績のいい会社、悪い会社は決算書のどの数字を見ればいいのか」と悩んでいないだろうか。『数字で読みとく会社の未来』の著書がある税理士の池田陽介氏が、実際の企業を例に財務データを読み解いていく。今回は24時間営業の是非で話題のコンビニ業界とコンビニのライバルであるドラッグストアに注目。果たしてどちらが儲けているのか。

コンビニ大手3社の
FC店舗率の割合は?

 コンビニの出現は、40年以上も前のこと。ハンバーガーのマクドナルドが日本に初上陸した1971年から遅れること3年、74年にセブン-イレブンの1号店(都内江東区の豊洲店)が誕生した。

 以後、コンビニは数少ない成長産業として市場規模を拡大する。公共料金の支払いやATMなども取り扱うようになったことで、社会インフラとしても欠かせない存在になってきた。コンビニ業界全体で見ると、2018年の全国売上高は10兆9646億円。店舗数は5万5743店、客平均単価は630円弱である。

 そのコンビニの24時間営業が一部で問題視されている。人手不足によるアルバイト時給の高騰などで、店舗経営が厳しくなっていることが背景にある。店舗にすれば、廃棄ロスの負担も重荷だ。

 フランチャイズ(FC)コンビニ店オーナーを顧問先としている同業者は言う。

「3店舗程度運営できるようになると利益を確保しやすくなるが、1店舗では経営が厳しいのが現実」
「立地がよくて当初は月に100万円以上の売り上げがあっても、すぐに競合店、それも同じブランドの出店も相次ぎ、販売額が年々減少する。近隣店との競合はまさしく消耗戦」