SMBC日興証券・シニアエコノミスト、宮前耕也氏の試算でも、ほぼ同様に3770億円の押上げとみている。

 ただ、旅行以外の消費や企業需要については、むしろ懸念する声の方が目立つ。3月景気ウォッチャー調査では、小売業界からは「恩恵を受けるのは旅行会社だけ。一般の商店では、来客数の減少を心配している。ゴールデンウィークで金を使うため、連休前後の消費は落ち込むとみている」との声が多い。

 景気ウオッチャー調査では、コンビニ業界で「2月中旬に起きたコンビニオーナーの待遇や契約などを巡る問題が表面化して以来、来客数と売上が今までにない減少を示している」との声が浮上。

 また、小売業界からは「春の食品値上げの動きが、消費停滞を一層加速させることになる」と懸念する見方も出た。

 4月ロイター企業調査では、小売業の8割が「連休中の販売が前年並みかそれ以下」と回答している。

製造業のライン休止、指標かく乱も

 経済全体に対する影響には、厳しい声も少なくない。5月20日に発表の2019年1ー3月期の国内総生産(GDP)成長率はマイナスになることが予想され、連休中後は節約ムードが台頭するとの予測が民間エコノミストの間で広がっている。熊野氏は「改元に伴う祝賀ムードが、一気に景気後退モードへ様変わりする可能性がある」と述べる。

 製造業の生産活動への影響は、下押し圧力の方が大きそうだ。政府関係者の1人は、年初の世界経済減速を受けて「連休中は需要低下に合わせ、あえて稼働を停止する企業が出てきても不思議はない」との見方を示す。

 また、民間エコノミストや政府関係者は、今年4月に法制化された「働き方改革法」の影響で、休暇取得や休日出勤の制限が強まることへの影響を注視している。

 具体的には、過去の大型連休ではラインを稼動させていた企業でも、10連休の今年はラインを止める企業が一部で出てくるのではないかとみられている。   

 経済官庁の幹部は「働き方改革の施行で今年は影響が読みにくく、例年通りの季節調整が当てはまるのか、調整をかけ過ぎることになるのか、見当がつかない」と嘆く。