今回の日銀の決定と見通しからは、現在の金融緩和を「粘り強く続けていく」姿勢をさらに強調しようという日銀の意図が透けて見える。

 市場の一部には、欧米の中央銀行がハト派に転換したことによる海外金利の低下を受け、「単なる『現状維持』では、相対的にタカ派的な位置づけとなってしまい、通貨高を引き受けさせられかねない。来たるべき円高圧力のけん制を狙ったのではないか」(みずほ銀行・チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏)との声も出ていた。

 また、ある国内銀行の関係者は「2%にしばらく届かないと多くの市場関係者がみていたので、これで緩和強化とは受け止められないだろう。物価を押し上げる効果やルートはよく分からない」と話す。

 一方、緩和政策が長期化することで、イールドカーブに影響が出ている。日銀はイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の下で、長期金利をゼロ%を中心に上下0.2%程度の範囲内に誘導。足元のマイナス0.04%程度の水準に問題はないとの立場だが、マイナス利回りの国債への投資家需要は着実に減退している。

 プラスの利回りを確保できる20、30、40年といった超長期国債は「大人気」(国内証券)。超長期ゾーンの国債利回りは軒並み低下し、イールドカーブは2016年9月のYCC導入時に近い形状までフラット化が進行している。

 YCCは、イールドカーブの過度なフラット化に伴う保険や年金などの運用利回りの低下によって「将来における広い意味での金融機能の持続性に対する不安感をもたらし、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性」(16年9月の総括的な検証)を回避するために導入された面がある。