日銀が17日に公表した「金融システムリポート」では、低金利環境の長期化を背景に金融機関が積極的にリスクを取っている一方、地域銀行を中心にリスクに見合った収益が確保できず、自己資本比率とストレス耐性が低下しているとして、金融システムへの警戒レベルを引き上げた。

 会合では、緩和長期化が避けられない中で、政策の持続性を確保するために上場投資信託(ETF)を一時的に市場参加者に貸し付ける制度の導入を検討するほか、適格担保について企業債務の信用力を緩和する措置なども決めた。

 市場では、一連の措置について「純粋に国債買い入れなど現行緩和策の継続を担保するためだろう」(同)とみられている。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・シニアマーケットエコノミストの六車治美氏は、今回の日銀のフォワードガイダンス明確化などの対応について「現状の長短金利操作目標については物価目標と切り離し、不確実性さえ後退すれば副作用を勘案して調整する、といった方向に進もうとしているようにも受け止められる」と分析する。

 一方、先の国内銀行の関係者は「ショックが起きれば追加緩和を決断し、平穏な状況が継続すれば、物価が上がらないことを理由に、新たな緩和ツールを打ち出すこともありそうだ」と予想する。

 25日の市場反応は限定的とはいえ、日銀に対する注目度は、今回のフォワードガイダンス見直しを機に高まることになりそうだ。

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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