このように、文政権の政策への支持が急降下しているにもかかわらず、支持率が依然として歴代2位にあるのには韓国特有の事情があるからだ。

 韓国では朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドファン)大統領と軍事政権が続き、軍事革命や光州事件といった暗いイメージが付きまとっている。これを打倒すべく立ち上がったのが、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)といった民主政治家であり、「民主政治家=革新系」とのイメージができているのである。韓国人は、「頭ではなくハートで考える」といわれるが、頭で考えれば、文政権の政策は韓国の多くの人々に受け入れられていないが、無条件で革新系を支持する市民がいまだに多いということであろう。

製造業の「脱韓国」が進む
経済・雇用政策の破綻

 朝鮮日報は「発足2年で国民を生活苦に追い込んだ文在寅政権」と題する社説を掲載している。朝鮮日報と韓国経済研究院による世論調査で、文政権発足後、生活が苦しくなったと感じている人が58.9%、1年前の調査時点(28.8%)の倍に達している。特に自営業者は82%が文政権の発足後、生活状況が悪化したと回答した。昨年廃業した自営業者は100万人を超えた。所得主導成長政策が弱者の財布を補うどころか、貧しさを増幅させた。それでも政府の対応は税金をつぎ込み、見せかけの雇用を作り出し、福祉名目で現金をばらまくだけである。

 さらに中央日報は「文政権の反市場政策2年間で…製造業が『脱韓国』」と題する記事を掲載している。韓国の海外直接投資は07年から17年まで毎年80億ドル前後を維持してきたが、18年はその倍の164億ドルに達した。それは国内生産環境、経営環境の悪化による生産拠点の海外脱出である。賃金の上昇、労働時間の制限、法人税の引き上げ、規制強化または法制度の変革など国内の事業環境は悪化しており、「今韓国で事業を拡張する者は『愛国者』」だと皮肉る声も聞く。こうした企業の脱出は韓国の質の高い雇用を奪っている。

 さらに東亜日報は、4月1ヵ月間のウォン安は金融不安のトルコに次いで2位であり、これは韓国内外の投資家が韓国経済の減速ぶりが尋常でないと受け止めているからであるとの分析を紹介している。

 このように、文政権の経済政策は韓国の経済力を弱体化させ、雇用を奪い、国民を生活苦に追いやっている。韓国国民の経済、雇用政策に対する肯定的評価がいずれも20%台に低迷しているのも理解できる。