物件の事前の人気ぶりを示すWEBのメルマガ登録数は1万5000件。モデルルームの見学にはすでに3000件以上の予約がある。同様の条件の物件はないため、単純な比較はできないものの、「手応えは、予想を上回る好調さ」と、デベロッパー関係者もホクホク顔だ。

 6月中まで、モデルルームの見学予約は埋まった。関係者によると、登録情報を見る限り、投資よりも住まいとしての実需が多い印象だという。

 気になるのが新築分譲価格だ。第I期の販売対象区画にあるレインボーブリッジを正面に捉えるPARK VILLAGEとその南東に建つSEA VILLAGEの目安は5400万~1億3000万円(2LDK~4LDK)。坪単価は約298万~430万円(暫定の計算値)。売り出される戸数や階、それぞれの正式な価格は、モデルルーム見学者の反応を見ながら今年7月末に正式に決定し、8月から販売を開始する。

 大きな魅力は部屋の広さにある。分譲の平均専有面積は84平米で、東京都中央区や港区など都心6区の平均約63.9平米(MRC調べ)よりも6畳以上広い。周辺エリアに多い60~70平米の部屋と比べても広く、お値打ち感はある。当然、内装にもゆとりがあり、室内扉のサイズは大きく、廊下も広い。天井高も確保され、ベランダ部分には机と椅子のセットが置けるゆとりある造りだ。価格帯は都内マンションとしてそれなりだが、東京都から安く売られた土地ということもあり、専有面積が広い割に坪単価が控えめになっている。なお、賃貸の仕様や家賃価格帯は未定だ。

 分譲物件の売主であるデベロッパーは、三井不動産レジデンシャルなど大手10社に及ぶ。関係社が多いと価格調整も難しくなるため、間取りや階などの条件に人気がない部屋でも「値引きしない方針」(不動産関係者)だ。さらに、その物件数の多さから、供給過多となり都心マンションの値崩れを防ぐため、棟や部屋列を分けて数年かけて販売していくという。

 眺望も魅力だ。東京湾に突き出た地形で、3方面が海に囲まれるため、高層タワー棟でなくても海が見える。中層の板状棟の高さが一定ではなく、山並みのようにでこぼこしているため、多くの部屋で視界が開けるよう開発されている。東京駅側を向いた物件の中には、全く海が見えない部屋もあるものの、代わりに豊かな植栽が楽しめる。

広さと眺望は魅力だが、交通の便は?

 敷地の中央付近の高層タワー2棟の建設は五輪後の24年度の完成を予定しているものの、その他の板状棟は分譲・賃貸ともに全てが選手村として活用される。選手村から分譲・賃貸住宅への作り替えに当たっては、部屋割りの変更などの「リノベーション」が行われる。約1万6000人の選手、監督など関係者のために、1部屋あたり3~4人が過ごせるように仮作りされ、五輪後は2LDKから4LDKの物件に生まれ変わる。